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2010年4月 7日 (水)

「えびの」の赤松

Photo  世界遺産になっている奈良の東大寺は世界最大の木造建築である。
現在、大仏殿の屋根を支える長さ25mの2本の梁(はり)は大虹梁(だいこうりょう)と呼ばれる赤松であるそうだ。
虹の名の由来は梁の中央を少し反らせていることから付いたそうである。
松はヤニを含んで粘り強いので梁には最適らしい。
最初の大仏殿は奈良時代751年(752年大仏開眼供養)に完成したが、戦乱で2度(1180年と1567年)焼失している。

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 2度目の焼失(1567年)から約120年後、1684年に幕府(徳川綱吉)の許可を得て全国的 な事業としての再建が進められている。
しかし、大虹梁となる材木がなかなか見つからなかったのだが、薩摩藩の霧島山中(現在の宮崎県えびの市)に樹高50m以上の赤松2本が存在すると薩摩藩を通じて奈良奉行所に報告があったという。
その後、世界最大の木造建築の梁材として宮崎県えびの市にある白鳥神社境内にあった赤松の巨木2本は切り出され、奈良へ運ばれたのである。

写真 郷土出版社2007年「白鳥の神は神木を生む」『西諸・北諸の歴史 宮崎県の歴史シリーズ』より

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 巨大赤松2本を海路で奈良まで運ぶため、白鳥神社から海辺(鹿児島県霧島市)まで約90kmを運び出すのに延べ日数115日、作業員延べ10万人、牛4000頭を投入したそうである。
鹿児島から海路で大阪に到着し、淀川、木津川を引き上げ、それから毎日2~3000人が繰り出されての陸上輸送で、伐採から8ヶ月後の9月5日奈良に到着したそうである。

このようにして運ばれた「えびの」の2本の赤松は現在まで大仏殿3020トンの大屋根を支えているのだ。

このような歴史の中で、もし「えびの」の赤松が無かったならば東大寺大仏殿の再建はどうなっていただろうと思うと、感慨深いものがある。

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